ダイニチのLXシリーズは1月末で計画比2倍に
ダイニチ工業は、同社の1月単月の加湿器の出荷金額が前年同期比500%になったと発表した。同社によると、これは2003年に加湿器を発売して以来、過去最高の実績という。
特にハイエンドモデルであるLXシリーズが好調で、今年度の出荷金額は前年比150%を計画していたが、1月末の時点ですでに200%に達しているとのことだ。
同社のLXシリーズは和室にも洋室にもマッチするシンプルなデザインで、コンパクトだが高い加湿能力を持つ。4つの抗菌加工が施され、静音性や省エネ性も実現した、同社のフラグシップモデルだ。
加湿器全体の出荷実績は9カ月間で前年実績クリア
日本電機工業会(JEMA)の出荷統計を見ると、2020年4月~12月の累計出荷台数は前年同期比155.0%で、出荷金額は同134.5%に達している。加湿器の19年度出荷台数は76万台で、出荷金額は約75.5億円だった。これは1年間の実績値だが、実は今年度は9カ月間で昨年度の出荷実績をすでに超えているのだ。
2020年4~12月の出荷台数は約102万台で、同期間の出荷金額は約87.5億円である。単に出荷だけでなく、品切れや品薄という状態が発生していることから分かるとおり、販売においても需要は減っていない。
現行モデルを前年比5倍の人員体制で増産中
ダイニチ工業では、この衰えない需要に対応するため、前年同期比5倍の人員体制で増産に取り組んでいるという。昨年の1月は秋以降に発売する次年度モデルの生産を行っていた。しかし、現在の増産は次年度モデルではなく現行モデルで、2月中は現行モデルの増産体制を維持していく考えだ。
新型コロナウイルスの陰に隠れたような形になっているが、例年1~3月頃はインフルエンザの流行がピークとなる時期である。また、スギ花粉は来週あたりから飛散が予想され、まだ加湿器に対するニーズは当分続くものと推測される。
加湿器には気化式、スチーム式、超音波式などの方式がある。各方式を理解していないお客は多いので、簡単な解説が必要だろう。ちなみに先述のダイニチ工業はハイブリッド方式を採用しており、これは水を含んだフィルターに風、または温風を当てて加湿するもの。室内の状況によって風と温風を自動で使い分け、加湿量はもとより、経済性と安全性にも優れた方式だ。注意したいのは超音波方式で、毎日タンクの水を換えないと雑菌が繁殖して部屋中に雑菌を撒き散らすことにもなりかねない。お客に対して、しっかりと説明をしよう。
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ダイニチ工業株式会社
・加湿器:LX SERIES