家電量販店の1月売上高は前年同月比2桁増 テレビとエアコンの販売が好調に推移し、PCは前年割れに


2020年12月下旬から新型コロナウイルスの新規感染者が増加し、年明け恒例の福袋が事前予約制やオンラインのみとなるなどの変化があった。例年だと1月は多くのお客が来店し、活況を呈する光景が見られたが、今年はお客も販売サイドも密を避ける意識が働き、元旦を休日とした家電量販店もあった。新型コロナウイルスが日本で初めて確認されてから1年経った、2021年1月の販売はどうだったのだろうか。

ケーズの1月売上高は前年同月比118%で下期は前年同期比128%

ケーズホールディングス(以下、ケーズ)の月次速報による2021年1月の売上高は前年同月比118.0%と伸長。2020年10月以降、前年同月比2桁増が続いており、下期は前年同期比128.0%、通期累計でも同112.7%と非常に好調だ。

1月売り上げを商品別で見ると、エアコンは前年同月比152.1%。前年の1月が大きく落ち込んだことと昨年暮れから全国的に低い気温が続いたため、販売が好調だった。下期は前年同期比で約1.5倍となる146.8%で推移している。

上期は前年同期比98.8%だったエアコンだが、下期は同約1.5倍に伸長

洗濯機は前年同月比137.5%、冷蔵庫は同126.5%、調理家電も同124.9%と、いずれも前年同月2桁増となっており、2020年度累計でも2桁増をキープしている。テレビは前年同月比125.1%。通期の累計でも122.1%と順調な推移となっているが、前年の販売が大きく伸びたため、伸長率はやや鈍化傾向にある。

パソコン、情報機器は前年同月比79.3%で、12月から2ヶ月連続で前年割れとなった。Windows7のサポート終了が2020年1月14日で、2019年12月から2020年1月は、このサポート終了に伴う買い替えの駆け込み需要が発生。比較対象の前年同月が大きく伸長したことでの前年割れである。

前年1月比115.4%のエディオンは年度累計で103.6%

エディオンの1月売上高は前年同月比115.4%で、通期の累計では前年同期比103.6%である。同社は商品別での開示が四半期ごとのため、個別の動向は分からないが、2020年度第3四半期累計での商品別販売動向からエアコン以外の空調機器は前年同期比で約160%となっており、1月までの累計ではさらに伸長率が高くなっていることが推測される。

また、テレビも第3四半期累計では前年同期比113.7%で、1月も含めると空調機器と同様にさらなる前年プラスになっているものと思われる。全体売り上げの約4%を占めるゲーム・玩具は第3四半期累計で前年同期比129.1%と伸長。例年でも1月はゲームの売り上げが伸びる時期なので、1月も含めると同130%は超えていると見られる。

ゲーム・玩具の2020年3月期の売上高構成比は3.7%。月次速報ではあるが、第3四半期で4.3%を占めており、前年度よりも売上高構成比は高くなりそうだ

コジマの1月のエアコン売上高は前年同月比34%増

コジマの1月売上高は前年同月比115.1%。同社は8月決算のため、2020年9月~2020年2月までが上期に当たる。その上期累計では前年同期比110.4%で、前年2桁伸長を継続している。

商品別ではエアコンが前年同月比134.4%。3カ月連続で前年同月比は130%超となっている。2020年9月は前年の9月に消費税増税の駆け込み需要が発生したため、前年同月比が大きくダウンしたが、10月以降は高いレベルで伸長。上期累計は前年同期比113.4%である。

洗濯機は前年同月比123.5%、冷蔵庫も同121.7%と前年同月比20%超のプラス。テレビも同116.8%と伸長した。また、フェイススチーマーや光エステなどの理美容家電も好調に推移したという。

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パソコン本体の1月売上高は前年同月比85.5%で、先述したWindows7の買い替え需要で前年のベースが上がったことが要因だ。ただし、上期累計でも前年同期比95.6%と前年割れであることと、前年の2月は販売が大きく伸長したことから、上期での前年クリアは厳しい状況と見られる。

ビックカメラの上期累計は前年同期比88.8%

ビックカメラの1月売上高は前年同月比84.7%。上期累計でも前年同期比88.8%と厳しい状況が続いている。同社では品目別の4分類で販売状況を開示しており、テレビやオーディオ、デジカメの音響映像商品の1月売上高は前年同月比73.8%。ターミナル立地ゆえに他社では好調なテレビも1月の販売は低調だったようだ。

白物家電や空調機器の家庭電化商品の1月売上高は前年同月比97.6%。パソコンや周辺機器、スマホの情報通信機器商品は同93.7%で、その他の商品は同68.5%という販売状況だった。

情報通信機器商品は上期累計で前年同期比104.6%と健闘している

月次速報では前年度の上期累計が一昨年比で96.9%だったが、ここまでの進捗状況を鑑みると昨年実績を上回るのは難しいように見える。オリジナル商品の取り扱いや分野特化型店舗の出店、接客予約の導入など、決して手をこまねいているわけではないが、繁華街のターミナル店舗が非常に多く、コロナ禍の影響からなかなか脱せずにいる。

3月決算の家電量販企業にとって、今期は残り約1カ月半を切った。決算業績の進捗状況は良好で、通期予想を上方修正した企業もある。引き続き好調を維持するための工夫や施策を講じて、来年度につなげたい。