コジマの9月売上高は前年同月比94.3%で、ビックカメラは同91.9%


コジマとビックカメラがPOSデータによる月次売上速報を発表した。すでにケーズホールディングスとエディオン、上新電機は発表しており、本サイトでも既報として掲載している。コジマとビックカメラの売上伸長率は、発表済みの3社と比較すると若干低い結果だ。コロナ禍で集客と売上に大きなダメージを受けたビックカメラと、逆に好調だった郊外型店舗を展開するコジマだが、新年度初月は他社と同様の前年割れとなった。

POSデータによる月次速報でコジマの9月売上は前年同月比94.3%。新型コロナウイルスの新規感染者が全国で急増したため、9月は大都市圏での緊急事態措置やまん延防止等重点措置が発出され、全国的に来店客数が減少。その影響があったと同社ではみている。

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2021年8月期は前年比101.8%とプラスだったが、9月は前年同月比94.3%で前年割れとなった

また、前年の2020年9月売上高は前年同月比で70.9%と落ち込んだが、その2019年9月は消費税増税の駆け込み需要で前年同月比159.4%と伸長した。つまり、2020年9月は前年同月比でみると7掛けだが、消費税増税施行前の2018年9月比では113.0%と伸長しているのだ。

駆け込み等による需要増が大きければ大きいほど、翌年同月のハードルが高くなるのは言うまでもない。そこで、消費税増税の影響を受けなかった3年前の2018年9月をベースとしてみると、2021年9月は106.6%。中期的に見ると規模は拡大していることが分かる。

携帯電話の売上は前年同月比145.0%で、3カ月連続の前年実績プラス

商品別の売上速報を見ると、携帯電話は前年同月比145.0%と大きく伸長。秋冬モデルの予約や販売がスタートしたことが、この伸長の要因といえよう。新製品だけでなく、各キャリアによる契約プランのリニューアルやサブブランドの料金値下げの動きなどもあり、今後も売上拡大が期待できそうだ。

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前年度の下期から携帯電話は前年プラスで推移。全般的に前年度の上期が好調だったので、対比となる今上期のハードルは高くなる

テレビは前年同月比92.5%と前年割れとなった。2020年9月も同76.2%だったが、2019年9月は同202.0%と伸長している。先述のように、消費税増税による駆け込み需要増とその反動減の影響が顕在化する前の2018年9月をベースとすると、2021年9月は142.4%となっている。

9月は天候が不順で、その影響によってエアコンの売上は前年同月比67.3%とダウンした。上記にならって2018年9月をベースとした場合の伸長率は79.6%。9月単月のエアコン売上は縮小している。日本冷凍空調工業会の出荷統計でも4~8月の出荷台数の累計では前年同期比93.3%となっており、市場自体があまり良くない状況のようだ。

パソコン本体の売上は前年年同月比90.5%で、4月以降は前年割れが続いている。2020年の10~11月は前年同月比で大きく伸長しており、厳しい面はあるが、Windows11の登場を販促に活かすことによってリプレース需要を喚起したいところだ。

大都市圏での長期化した緊急事態措置がビックカメラの9月売上に影響

ビックカメラの9月売上は前年同月比91.9%。“たられば”ではあるが、9月末まで延長された緊急事態宣言がもう少し早い時期に解除されていたら、底上げができたのではないかと推測される。

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前年の10~11月は前年実績クリアで推移したため、ハードルは低くないが、緊急事態宣言解除はターミナル立地店を展開するビックカメラにとってはプラス要因だ

同社は個々の商品ではなく、複数の商品をまとめた品目というグループで売上を開示している。9月の品目別売上で前年同月比プラスとなったのは情報通信機器商品で、パソコン本体や周辺機器は低調だったが、スマートフォンは好調だったという。この要因としてはコジマと同様、新製品の発売やキャリア間の競争による通信料金値下げなどだ。

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比較的好調に推移したのは家庭電化商品の理美容家電やその他の商品の玩具。冷蔵庫や洗濯機、調理家電などは低調だった

同社は9月から4K対応のオリジナルテレビの販売をスタートしており、カメラのレンタルを手掛けるカメラブとの資本提携や600名近いWindows11認定相談員の配置など、さまざまな活動を強化して提案力や顧客の利便性の向上に注力している。

コロナ禍は1年半以上に及び、都市型立地店舗をメインとするビックカメラにとっては集客の落ち込みが大きな影響を与えた。第6波の懸念もあるが、ワクチン接種率が高まり、新療法や新薬の開発も進んでいることは同社の事業にプラス要因だ。店舗力、現場力の強化で巻き返しを図る同社のこれからに期待したい。