煮汁の後始末などが不要、普通に炊くだけでOK!
ダイエットや健康を目的に糖質制限する人が増え、そのニーズに応える糖質カット機能を備えた炊飯器が増えてきた。アイリスオーヤマの新製品「RC-IJH50」もそうした炊飯器の1つだ。
他社製品に見られる糖質を溶かして煮汁を排出する仕組みではなく、お米に水を多めに含ませて嵩を増やすことで1膳当たりで摂取する糖分を減らす仕様となっている。このため、炊飯時に今までと同じ量で炊いて食べていると、満腹感は増すが摂取する糖質は減らないことになるので気を付けたい。
炊飯器の操作やお米のセッティングには特に変わったことをする必要はなく、メニューから選ぶコースの一つとして低糖質メニューで炊けば良い。糖質カットメニューは10%カットと20%カットの二種類から選べる。
お米に水分を多く含ませることから、炊飯時間は少し長めになるものの、2倍も3倍も掛かるわけではなく通常と10分程度しか違わない。ただ、通常の炊飯では5.5合まで炊けるが、低糖質メニューの場合は3合までしか炊けない点は注意が必要だ。
内釜は対面になる2カ所に目盛りを記しているが、白米無洗米以外は、それぞれで内容が異なる。炊き方の多彩さを印象付ける仕様と言えそうだ。なお、内釜の重量は700g強。
甘みも感じられ、柔らかめの食感が好きなら美味しく食べられる
実際に糖質20%カット、10%カット、通常の3通りの炊き方を比べてみた。品種はコシヒカリで、水はミネラルウォーターを使用した。杓文字でご飯をよそう段階で、ご飯の抵抗感や重さに微妙な違いを感じる。糖質をカットしたものほど見た目より軽く感じた。
見た目も、通常の炊飯では粒の輪郭がくっきりしているのに対し、糖質カットではべちゃっとはしていないものの、粒感が少しずつ失われている。
口に入れてみると、味や食感にも差が感じられた。通常炊いた時に近い味と食感を目指しているのは分かるのだが、糖質カットのほうが水気の多い分、口の中でも崩れやすく水の味もより強く感じられた。
決してそれが美味しくないという訳ではなく、甘みもきちんと残っており、柔らかめの食感が好きな人ならば、通常モードで炊飯したときよりも美味しく感じる場合もあるだろう。
売り場では提案型の柔軟な見せ方を期待
試食してみた印象から、糖質は減らしたいが、お米での食事は量を減らさず摂りたいという家庭なら、一度は試してみたい気になる製品に仕上がっていると感じた。他の糖質カット炊飯器と違って、炊飯後に煮汁などを捨てる手間も要らない。
糖質カットに合う品種や合わない品種といったものは特にないとのことで、糖質カットメニューで炊いた時に、自分や家族の好みに合う品種を探すのも楽しそうだ。
アイリスオーヤマでは、家電量販店やホームセンターを中心に販売していく考えだが、炊飯器売り場に他の炊飯器と一緒にただ並べただけでは面白くない。健康やダイエットを切り口に提案したり、いっそ健康家電売り場に設置してみたりといった、提案型の柔軟な見せ方を期待したい。
■参考リンク
アイリスオーヤマ
・ヘルシーサポート炊飯器