2020年度の玩具市場はステイホームで前年比101.5%と伸長
家電量販店の2020年度のゲーム・玩具売上高は前年2桁増
家電量販企業が扱っている非家電商材を代表する分野の一つにゲーム・玩具がある。2020年度の家電売り上げは好調に推移したが、ゲーム・玩具の売上高も伸びた。エディオンでは同分野が前年比127.1%と伸長し、上新電機も同114.3%。また、2020年9月~2021年2月のコジマのゲームと玩具の売上高は同126.9%と好調に推移した。
日本玩具協会がまとめた2020年度の玩具市場は約8,268億円。前年比101.5%と伸長した。
玩具はメインターゲットが子供であり、少子化の影響を真っ先に受けやすい分野である。実際に2000年代半ばから2013年度にかけての市場は7,000億円台で需要縮小が顕著だった。
しかし、2014年度には市場が8,000億円台に戻り、2020年度はこの20年間で3番目となる市場規模となった。
ステイホームでジグソーパズルが前年の1.5倍に伸長
同協会では玩具を10分類に分けているが、2020年度に最も伸びたのはジグソーパズルで前年比158.7%。これに次ぐのがハイテク系トレンドトイで同124.9%。3番目がゲームで117.3%だった。
同協会による分析では、コロナ禍によって在宅で楽しめる商品の需要が高まったという。また、タブレットでキャラクターを通してプログラミングなどを学べる商品も同150%以上と伸長。玩具は家族で遊んだり、コミュニケーションを深めたりするだけでなく、学びとしての役割を持つ商品が普及拡大。娯楽と学びで例年以上に玩具が求められた結果、市場が前年プラスで推移したと総括している。
玩具ではキャラクターも売上に大きな貢献を果たす。2020年度は「鬼滅の刃」と「すみッコぐらし」の2つのキャラクターが人気を博し、さまざまな玩具の売上を底上げしたとのことである。両キャラクターは男女の区別や年代を問わず人気を集めている。玩具が男児または女児向けというのは過去の話で、最近の玩具市場は年齢と性別のボーダレス化が進んでいると同協会では解説している。
玩具の展示演出にも工夫を凝らそう
家電量販店は玩具の販路として非常に大きい。先述の量販企業はIRで玩具売上を公表している企業で、ヤマダデンキやヨドバシカメラ、ビックカメラでも玩具を扱っており、ノジマも一部の店舗で取り扱っている。
言うまでもなく、ゲームや玩具の取り扱いはファミリー層の集客やついで買いに効果を発揮するものだ。家電製品では以前よりも展示演出に工夫を凝らし、製品の特長や魅力がより伝わるような見せ方が増えてきた。玩具はというと、まだパッケージを並べただけの展示が非常に多いという印象がある。
玩具についてももっと魅力が伝わるような展示を試みてもよいのではないだろうか。玩具コーナーには幼児も入ってくるので、製品の破損や紛失、接触や衝突による外傷などの心配もあって簡単に実現できない面もある。しかし、モニターでデモ映像を流したり、パネルや手書きPOPなどでアピールしてみることは可能だ。より選びやすく、子供が目を輝かすような売り場になることを期待したい。
■関連リンク
一般社団法人日本玩具協会(玩具市場規模データ)