IHクッキングヒーターは堅調に推移
IHクッキングヒーターの需要は、2015年度が72万台、2016年度は約76万台と、堅調に推移している。また、IHクッキングヒーターの買い替えは、「グリル」と「操作部」がきっかけになることが多いと日立アプライアンスの担当者は話す。
頻繁に魚をグリルで焼く場合、魚にふった塩や魚の脂をそのままにしておくと、グリル部の腐食の原因となる。またボタン式の操作部ではコーティングのビニールが破れるといった経年劣化が起き、これらが買い替えのきっかけになるという。
同社のユーザー調査によれると、ユーザーが購入を決めた理由はオールメタル対応や3口全てがIH加熱という基本性能に加え、グリル調理もオーブン調理も手軽にできる「ラク旨グリル調理」などの独自機能も決め手の上位に挙げられている。
また、購入者はオーブンのオート調理や操作性も重視しているが、一方でIHによるフライパン調理は火加減や裏返しのタイミングが難しいという意見もあったという。そこで、新商品ではオーブンのオートメニュー拡充と操作性の向上に加え、IH調理時のサポート機能を採用したという。
調理メニューが進化
L300Tシリーズでは、オーブン調理用の「ラク旨オーブン」(平皿)、「ラク旨グリル」(波皿)、「専用フタ」を組み合わせて調理を行う。説明会では調理実演も行われた。
魚の煮つけは、温度センサーで庫内温度の立ち上がりをみて食材の量を判定し、上下ヒーターを交互に加熱して煮汁があふれないように火力を制御する。試食すると、ふっくらと仕上がり、中までしっかりと味が染み込んでいた。
シーズヒーターの直火を活かした「冷凍食品温め」モードも新たに搭載。冷凍チャーハンや冷凍から揚げなどの総菜の温めに便利だ。
音声ガイドで裏返しのタイミングを教える
新たに搭載された「適温調理サポート」機能の紹介として、ハンバーグの調理実演が行われた。
調理温度が180℃に設定すると予熱がはじまり、予熱が完了すると音声で知らせる。その後、表面を焼くと、今度は「裏返し、フタをしてください」と音声でガイドする。裏返すと140℃で焼き上がりまで仕上げる。調理完了までの時間はおよそ15分。焦げ目や、中の焼け具合を何度も確認することなく仕上げられるので、とても簡単だ。
調理のコツもお知らせ
オーブン操作部の表示部にはフルドット液晶を搭載した。メニューでは、魚焼き(丸焼き、切身、干物、つけ焼き)を設定できる。このほか、「調理のこつ」ボタンを押すと、魚などの食材の置き方や、調理のポイントを表示する。
電子調理器ならではの利便性を伝える
一定の温度をキープする温度管理、調理のサポートを音声で行う機能、タイマー機能などは、電子調理器ならではの利便性だ。 IHクッキングヒーターの接客では、ついつい火を使わない安全面や天面の掃除のしやすさを強調しがちになる。もちろん、これらのことは重要だが、調理器具として料理を美味しく、しかも簡単に作れる機器でもあるのだ。
新規客はもちろん、買い替え客にも、今もIHクッキングヒーターの利便性を伝えていこう。
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