バッファローが外付けHDDの故障予測サービス「みまもり合図」を開始 無償サービスでアカウント登録も不要


文書や写真、音楽、動画などのデータを外付けHDDに保存しているユーザーは多い。落下や衝撃などにより、HDDが故障してデータが失われることもあるが、HDDも経年劣化するということを知らないユーザーは非常に多いのではないだろうか。ユーザーのデータを守るため、バッファローが新たなサービスを開始した。

S.M.A.R.T.情報を自動でクラウドにアップ

バッファローは、2017年7月5日より「みまもり合図」という名称で、同社の外付けHDDおよびポータブル外付けHDD(AV向け製品は除く)の故障予測サービスを開始している。

同サービスはユーザーのパソコンに接続されている外付けHDDのS.M.A.R.T.情報をクラウドに蓄積し、外付けHDDの劣化状況を情報としてユーザーのパソコンに送信し、使用中のHDDのデータをバックアップする必要性を促すサービスである。

「みまもり合図」はパソコンと接続したHDDの状態を常に診断

バッファローデータ・ストレージソリューション事業部マーケティング課の川瀬博之氏は同サービスの狙いについて、「外付けHDDの大容量化に伴い、買い替えや買い増しのサイクルが長くなっています。買い替えまでの時間が長くなっていることで、経年劣化によるHDDの故障リスクも高まっています。バッファローではお客様の大事なデータを守るという観点から、壊れる前にHDDのデータをバックアップしてもらうためのサービスを考えました」と説明する。

バッファローデータ・ストレージソリューション事業部マーケティング課:川瀬博之氏

不良セクタ増加でHDDも経年劣化する

どのような家電製品でも通常使用で経年劣化は起きる。では、HDDの経年劣化とは、どのようなものなのか。

データの書き込みや読み込みには、HDD内にある磁性を帯びた円盤状のディスクが使用される。このディスクの磁性が弱くなると不良セクタとなり、読み書きができない領域となる。不良セクタは非常に小さい単位だが、読み書きの回数や経年劣化による磁性の減少などで、自然に増えていく。やがて、HDDは読み書きができなくなり、動作不良で故障となってしまうのだ。

「衝撃を与えたり、水をこぼしたりしなくても長年の使用だけで故障リスクは高まります。2~3TBの大容量HDDは40~50代のユーザーが多く、例えば家族の写真など、かけがえのないデータが保存されているケースが多いのです。だからこそ、HDDが故障する前にデータのバックアップが必要なのです」と川瀬氏は力を込める。

外付けHDDも家電機器と同様に経年劣化による故障リスクがある

外付けHDDのS.M.A.R.T.情報とは、Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technologyの略称。HDDの故障の予測や障害を早期に発見するためにHDDに搭載されている自己診断情報のことである。バッファローが独自に搭載しているデータ情報ということではなく、メーカーを問わず、HDDには必ず入っている情報なのだ。

フリーソフトや有料ソフトをパソコンにインストールし、ユーザーが自らこのS.M.A.R.T.情報を活用して使用中のHDDの状態を診断することは可能だ。しかし、HDDメーカーによって、S.M.A.R.T.情報のデータフォームは異なり、インストールするソフトによっては必ずしも正しい診断ができるとは限らない。

バッファローではAV向け製品を除く同社の外付およびポータブルHDDで、パソコンとUSB3.0/2.0で接続されているパソコンに、同社が提供するクライアントソフトウェア「みまもり合図」をインストールすることで、自動的に故障予測サービスが受けられる仕組みを構築した。

パソコン画面にポップアップでアラート表示

「みまもり合図」をインストールしたパソコンは1時間に1回、自動的にバッファローのクラウドにHDDの状態を送信。クラウドがその状態を診断し、A、B、C、D、Fの5ランクで判定する。

A、Bと判定されたHDDは「良品」で、Cランクは「通常品」。DのHDDは「故障注意品」となり、Fは「故障警戒品」と分類される。

A~Cの場合、ポップアップ表示は出ないが、「みまもり合図」のアイコンをクリックすることで、接続しているHDDがA~Cのどのランクにいるのかが分かる。

A判定の画面。「製品の劣化は見つかっていません」と表示される

D、またはFと判定された場合、パソコンの画面にポップアップ表示が出る。Dの場合は「製品の劣化が進んでいます。早急にバックアップしてください。またはみまもり合図窓口までお問い合わせください」というメッセージが現れる。

D判定の画面。画面にイエローのポップアップでデータのバックアップを促す

Fの場合は「製品が故障する恐れがあります。みまもり合図窓口までお問い合わせください」というメッセージが表示され、ユーザーにデータのバックアップを促す。

F判定の場合、表示されるカラーが赤になり、緊急性を色でも伝える

D、またはFと判定が出て、ポップアップ表示の「サポート窓口へ問い合わせる」アイコンをクリックすると、さらにポップアップ画面が出て、「お客様番号」が表示される。メールあるいは電話等の指示も表記されているので、その「お客様番号」をメールか電話で伝えてサポートを受ける。

「お客様番号」の表示とともにサポートへの連絡手段も表示される

サポート担当者は問い合わせのユーザーの「お客様番号」を基に、クラウド上のユーザーのHDD情報にアクセスして、HDDの状態を伝える。

自分でバックアップできないというユーザーに対しては、有償でのバックアップサービス対応を案内する。このバックアップサービス対応については、同社のデータ復旧サービスと同じく、データを保存する製品の代金とデータ移行料が有償となる。

サポート対応ではバックアップの有償サービスの案内も行う

サービスは無償でアカウント登録も不要

「みまもり合図」はバッファロー製品のユーザーが無償で受けられるサービスだ。しかもユーザー情報の登録を一切、必要としない。ユーザーが行うことは、たった一つ。ソフトウェアのインストールだけである。

前述のとおり、D~Fと判定された場合、サポート窓口への連絡時に必要となるのは、ポップアップで表示された「お客様番号」のみ。つまり、ユーザー情報を登録しないので、個人情報が流出すること自体がないというわけである。

川瀬氏は「サポート担当者はお客様番号からクラウド上のHDD情報を確認できますが、分かるのはその情報だけ。お客様にとっても情報の漏洩などがないので、安心してサービスを受けられます」と話す。
また、1時間に1回、自動的にHDDの S.M.A.R.T.情報をクラウドに送信するが、その通信量は極めて小さいためパソコンに対する負荷もほとんどかからないという。

同社では、サービス開始に伴い、スタンドPOPや製品パッケージでの対応ステッカー貼付などで、お客への認知を図っていく。「お客様にとってはサポート対応も行っているので、安心して製品を使っていただけます。お店にとっても製品に関するお客様からの問い合わせなど、一次対応の手間が軽減できます。それだけでなく、外付けHDDの長期使用による故障リスクが周知されることで、買い替えや買い増しの促進効果もあると考えています」と川瀬氏は語る。

「みまもり合図」はバッファローとユーザーをダイレクトで結び、店舗の一次対応の手間を軽減

現在、出荷済みの製品についてはバッファローのHPからソフトウェアをダウンロードするが、今後出荷する製品ではHDD内のインストーラーからソフトウェアをインストールする形になる。

データ復旧、故障予測サービスとお客のデータ消失対策に積極的に取り組むバッファロー。HDDの買い替え促進にもつながる新たな取り組みは、接客での対応も求められるようになってきた販売員にとっても強力な後押しとなるだろう。

HDDに保存してあるからデータは安全と考えているお客は多い。お客への提案として「みまもり合図」サービスを案内することは、店舗のCSアップにもつながる。売り場での提案強化に取り組もう。