デュアルブラスター搭載のXSシリーズが1月に発売開始
富士通ゼネラルが2018年1月6日から発売するのは「nocria」XSシリーズ。独自のサイドファンであるデュアルブラスターを搭載したXシリーズに新たにXSシリーズを追加し、デュアルブラスター搭載シリーズは2ラインとなる。
デュアルブラスターを搭載した初代Xシリーズは2013年に発売し、現行モデルは6世代目となる。設定温度に近づくと、本体からの送風は弱くなる。すると暖気は上昇し、冷気は下降する。つまり、暖房運転時の風は天井方向に上昇してしまうため、エアコンから遠い距離にいると、暖気は足元に到達する前に天井方向に逃げてしまう。これを本体両サイドにあるデュアルブラスターの風が暖気の上昇を抑え、床を這うような気流で遠くにいても足元までしっかりと風を届ける。
冷房の場合は逆に、ある程度室温が下がって送風が弱くなると冷気はエアコンの近くにいる人だけに当たり、遠くにいると冷気が届かないということがある。デュアルブラスターは冷気を引き上げるので、近くにいる人にはやさしい涼感を与え、遠くにいる人にも涼しさを送るのだ。
床暖房や電気カーペット併用の「床暖房モード」を搭載
新製品から「床暖房併用モード」を搭載。これは床暖房や電気カーペットなどの使用で足元部分が暖かいときに選択するモードだ。足元に暖気を送るのではなく、デュアルブラスターを水平に向けて、暖房気流を部屋全体に循環させるようにするもの。風が当たることを気にする人や足元は補助暖房や部分暖房で暖める必要がないという場合に最適なモードである。
デュアルブラスターから出る風は、あくまで室温。だから温風でも冷風でも室内環境が最適になるような温度の気流を送れるのだ。本体の吹き出し口から送られる温風・冷風と、このデュアルブラスターによる室温の風からなるハイブリッド気流は、まさに同社独自の気流制御技術である。
新商品のXSシリーズと既発のXシリーズとの大きな違いは、Xシリーズに搭載されている熱交換器の「加熱除菌」とプラズマ空清の「プラズマクリーン」がXSシリーズには搭載されていない点だ。
Xシリーズに搭載の、AIが使用環境に応じた最適な運転を行う「ノクリアセレクト」や部屋の温度・湿度を独自のアルゴリズムで分析して季節に合った快適なモードを自動で選択する「おまかせノクリア」、電気代や外出時の外気温、部屋の状況に合った節電設定を音声で知らせる「音声お知らせ」、専用アプリと別売りの無線アダプターでスマートフォンと連動して外からの操作が可能な「スマートフォン連携」などはXSシリーズにも搭載されている。
ラインアップは2.2kWから7.1kWまで7機種。Xシリーズの4.0kWは200V対応だったが、XSシリーズの4.0kWは100V対応となっている。リビングの専用コンセントが100V対応だったり、電力会社との契約アンペアがさほど大きくない住宅での設置にも適している。全機種とも高さ293mm、横幅は786mmのコンパクトサイズ。
お客のニーズや予算に合わせて2ラインの選択が可能
XSシリーズに搭載されている機能のいくつかを非搭載のXSシリーズは、4.0kWでXシリーズよりも約3万円低い想定売価。例えば高性能の空気清浄機があるので空気清浄機能は不要というお客や、リビング以外の部屋に取り付ける、あるいは予算を決めている場合などにXシリーズから振り下ろすことが可能だ。
富士通ゼネラルは18年もデュアルブラスターによるハイブリッド気流を訴求し、室内の快適性を追求していくという。室内の人それぞれに最適な風を送る、いわゆる吹き分けを各社ともアピールしているが、一つの部屋での吹き分けはある程度時間が経つと、結局のところは全体暖房となる。
その点で、富士通ゼネラルは人それぞれに吹き分けというよりも、室内全体の空調を快適に保つということを重視し、そのためにデュアルブラスターの機能を最大限活かすような機能を盛り込んでいる。売り場では、まず、デュアルブラスターから出る風が温風や冷風をどのようにコントロールするのか、しっかりと説明しよう。この説明で、他社との違いを理解してもらうことができる。そのうえで、XとXSシリーズの違いを解説することで、お客のニーズに合わせた振り上げや振り下げが可能だ。
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