2018年度 家電需要予測・AV家電編
薄型テレビは台数で106%、金額で113%の伸長予想
薄型テレビの出荷金額は2017年度比113%と伸長
映像機器で掲載しているのは薄型テレビやプロジェクター、BS/CSアンテナ、BDレコーダー・プレーヤー、ビデオカメラなど。音響機器では携帯デジタルオーディオプレーヤーやラジカセ、ラジオ、ヘッドホン・イヤホン、セットステレオなどの主要商品である。
映像機器全体の出荷金額は17年度比109.2%。このうち、全体の出荷金額の7割近くを占める薄型テレビは2017年度比113%で、2桁伸長すると予想した。
画面サイズで30インチ台の構成比は、台数で約3割を占め、金額では16%弱とみる。この30インチ台が2018年度においてもボリュームゾーンであることに変わりはなさそうだ。その一方で大画面サイズも好調に推移しており、50インチ台のゾーンは2018年度に100万台規模になると見られる。また、50型以上の台数構成比は2018年度で約21%、金額構成比では全体出荷金額の約50%を占めそうだ。
2018年度の平均単価は32V型未満が2017年度比でダウンしそうだが、その他のクラスでは微増で推移するとみられる。また、4Kテレビは引き続き伸長し、台数構成比が薄型テレビ全体の約38%、金額構成比で約64%を占めると予想する。
BS/CSアンテナは65万台で金額も2017年度比137%と伸長予想
本年12月にはBS/CSで4Kの本放送がスタートとなる。この流れに合わせてBS/CSアンテナも需要が伸長するものとして、出荷台数は2017年度比125%、出荷金額も同137%と大きく伸びると予想した。
しかし、課題が一つ。各種の調査で、4K放送開始は知っていても、必要な機器や交換を要する可能性がある機器についての一般の認知度は低いのが実情だ。4K放送に関する正しい情報を店舗で発信することで、BS/CSアンテナの需要を喚起しよう。
BDレコーダーとプレーヤーは4K放送と新規格対応で需要は増加
大容量や全録モデルによって単価はアップしているが、台数需要は低迷しているBDレコーダー・プレーヤー。Ultra HD ブルーレイソフトのラインナップ拡充や4K放送の録画が可能なBDの新規格などにより、レコーダーやプレーヤーの基本性能はアップ。4K放送の録画の可否については、まだ未確定の部分もあるが、4Kチューナーを搭載したBDレコーダーも2018年度内には市場投入されるものと予想され、需要は増加するとみる。
このことから、2018年度のBDレコーダーは出荷台数で2017年度比103%、金額で同109%と予想。BDプレーヤーも台数は横ばいながら、金額では103%と増加。BDレコーダーの平均単価は106%、プレーヤーも103%のアップとなりそうだ。
音響製品では携帯デジタルオーディオプレーヤーでの音楽再生がスマートフォンで代用され、2018年度の台数は2017年度比88%、金額は同89%で減少すると予想した。ただし、ハイレゾ対応モデルの構成比増加のため、単価はアップすると予想した。
イヤホンはワイヤレスやノイズキャンセリング対応で単価はアップ
ヘッドホン・イヤホンは好調に推移し、台数・金額とも2017年度を上回るとみられる。ワイヤレスモデルやノイズキャンセリング対応モデルが増加し、単価もアップしそうだ。
ホームシアターは台数で2017年度比107%、金額で同106%と予想。薄型テレビに接続して、より立体的で迫力のある音像を作るのがホームシアターだが、薄型テレビでの一つのトレンドが高音質。従来よりも高音質の薄型テレビが増加しているため、ホームシアターの需要は伸びるものの、単価は微減と予想した。
販売では、より分かりやすい商品説明に注力
AV家電では4Kやハイレゾに代表される高画質、高音質が売りの一つになっている。しかし、その画質や音質を説明するためには専門用語を使ったスペックの説明に終始しがちになる。知識のないお客に対して、いかに理解してもらい、価値として認識してもらうかが成約のカギとなる。
4Kであれば、画素数が2Kよりも多いということだけでなく、より細かい表示が可能であるため、細部までクッキリと見えること。ハイレゾ音源はCDの約6.5倍もの情報量があり、CDよりもはるかに原音に近い音の再生ができることなどを、分かりやすく例えを活用して伝えよう。
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