自然光に近いパナソニックのLED電球「プレミアX」 昼光色、昼白色、電球色と新たに加えた「温白色」で4色展開


2009年に市場投入されたLED電球は、約10年間で累計4億個を出荷したという。この10年の間に価格もお客が求めやすいレベルまで下がってきた。光の広がりや色などについても改良が重ねられ、商品としても進化をしてきた。しかし、まだまだすべての部屋でLEDが導入されているわけではないとパナソニックは見ている。同社の新商品は消費者が不安に感じている要素をクリアしたと胸を張る自信作だ。

LED電球の購入時の最大不安は「形状・サイズ」

パナソニックでは“LED電球を購入するときに最も不安なことは?”というWeb調査を行った。その結果は以下のとおり。

1,034人を対象としたWeb調査では、約1/3がLED電球の購入時、形状・サイズに不安を感じている

これらの結果から、お客がLED電球の購入時に不安を感じていることは、「形状・サイズ」「品質」「光の質」であることが分かった。安全で、器具に収まり、明るさや光の色がイメージどおりか、ということである。この不安をすべて解消するために開発したのが、新世代のLED電球「プレミアX」だ。

平均演色評価数(Ra)を90にアップ

「プレミアX」の進化ポイントは3つある。1つ目は、『自然光と同じ色の見え方』の実現である。ある物の色を見るとき、その物を照らしている光の色によって物の色は影響を受ける。例えば、白熱電球の下で真っ白なページを見ると、電球の色が影響して黄色っぽく見える。

自然の光である太陽光を基準として、その自然光にどれだけ近い色かを数値で表すのが、100を最大とする「平均演色評価数(Ra)」。実は、これまでの一般的なLED電球はRaが80程度で、同社の商品でも84程度だったという。これがどのような影響をもたらすのだろうか。

一例を挙げると、自室でメイクをして出かけたら、屋外ではメイクの色が濃く見えたり、着ている服の色が外で見たら違った色に見えたりすることがある。これは自室の照明の演色評価数が低く、自然光の下では違った色に見えてしまうためと考えることができる。「プレミアX」は、Raを従来の84から90まで引き上げ、光源としては自然光と同じ色鮮やかさを再現した。つまり、室内でも屋外でも同じ色の見え方に近いということだ。

プレミアムXはRa90で、室内と屋外とでの色の見え方のギャップを低減した

また、同社によると、今までのLED電球は赤色の再現性が非常に苦手だった。そのため、特に肌の色が実際の色よりも若干黄ばんで見えていた。「プレミアX」では、この赤の再現性も改善。血色の良い本来の肌の色に見えるようになった。

LEDの性質上、他の色と比べて劣るものの、従来品より赤色の再現性を大きく高めた
左の従来品と比較すると、赤色の再現が強くなっていることが分かる

電球色と昼白色の中間色の「温白色」を追加

2つ目の進化ポイントは新色の追加。これまでのLED電球は、電球色、昼光色、昼白色の3色展開だったが、「プレミアX」では新たに「温白色」を追加し、4色展開としている。電球色は落ち着いた雰囲気には最適だが、ともすれば暗いと感じてしまうこともある。昼白色だと逆に明るさ感はあるものの、くつろぎの場としては、逆に明るすぎる。この中間の、明るさとくつろぎ感を両立したのが「温白色」だ。

温白色は電球色と昼白色の中間の色で、落ち着きのある明るさが特徴

3つ目の進化ポイントは、従来のシリカ電球と同等の形状としたことで、器具と適合するかを気にすることなく使用できる。白熱電球からの付け替えでも、取り付けられないのではないかという不安を払拭した。「プレミアX」は前述の4色展開と合わせて、それぞれ40形と60形の2つの明るさが選べる。

展示演出にひと手間かけて、よりセルフ化を推進

電球売り場は基本的にセルフとしている店舗がほとんどだ。電球の売価を考えると、いたしかたないと言えるだろう。しかし、前述のWeb調査の結果を見ると、LED電球の購入に対して不安を感じている層がいるのは間違いない。家電専門店としては何らかの形で、このお客の不安に対するソリューション提案を行うべきだ。

シリカ電球とは、いわゆる白熱電球のことを指す。電球の色としては暗い順に電球色、温白色、昼白色、昼光色となっている。40形と60形とでは、形状自体は同じで、電球の明るさが異なる。これらは今さら当たり前のことと言えよう。しかし、その当たり前は販売サイドにとって当たり前でも、お客にとっては当たり前ではないかもしれない。

LED電球の明るさや色の違いを確認するためのデモを置いている店舗もあるが、置く位置によっては店内の照明の影響を受けて、違いを視認しにくいケースも実際にある。ひと手間かけて、LED電球のデモを黒い布で覆うだけで違いが分かりやすくなる。セルフ売り場だからこそのひと工夫を行うことで、よりお客のセルフ化が実現できるはずだ。