パナソニックのコンパクト電気脱臭機「MS-DM10」の手頃さと性能をレビューする


パナソニックが11月20日(水)に発売予定の小型軽量で持ち歩き可能な電気脱臭機「MS-DM10」を、ひと足早く使用する機会を得た。折角なのでここでレビューをお届けしたい。なお、価格はオープンで、実売予想価格は税別1万円前後の見込みだ。

使い方で迷わない超シンプルなインターフェイス

MS-DM10は衣類を掛けたハンガーに吊り下げて使う。パナソニックでは以前からハンガー型の電気脱臭機「MS-DH210」や靴用の電気脱臭機「MS-DS100」を販売しているが、MS-DM10はこれらよりもコンパクトで、普段、クローゼットなどで使えるだけでなく、旅行先などに持ち運んで使えることが特長になっている。

内容物一覧。左から取扱説明書、MS-DH210本体、収納バッグ、電源コード

ナノイーXを搭載しており、本体上部の吸込口から取り込んだ空気にイオンを載せて、下部の排出口から吹き出して、衣類の隅々に送り届ける。

ナノイーは不快な臭いが抑えられるOHラジカル(好反応成分)を含む微粒子イオンで、ナノイーXはナノイーの10倍の濃度を持つ。ナノイーXが繊維に染み込んだ臭いに届くと、OHラジカルがニオイの原因物質を分解して脱臭する。衣類の汗臭、タバコ臭、焼肉臭などのほか、洗いにくい小物やカバンの中に付着したニオイなども取り除ける。

使い方はとても簡単で、衣類が掛かったハンガーに本体上部から出ている紐で吊り下げ、本体横の電源ボタンを押すだけ。ボタン押下で5時間運転し、時間が来ると自動的に停止する。途中で終了したい場合は電源ボタンを押せばOKだ。

ハンガーに衣類と共に掛けて使う。なお、2~3着同時に利用したいときは、服の内側ではなく、外になるように掛けると良い

消費電力は3W。バッテリーは搭載しないため、使用時は電源コードが必要になる。ただし、モバイルバッテリーも利用可能なので、コンセントがない場所でも利用可能だ。モバイルバッテリーは容量5000mAh以上に対応となっている。

付属品は、電源ケーブル(2.5長のUSB-micro)と収納バッグ。USB出力ACアダプタは付属しないので、PCなどのUSBポートを備えたデバイス経由で利用するか、コンセントから直接電源を取りたい場合は別途用意することになる。

普段の身だしなみに使いたい人はもちろんだが、洗濯しづらい服やカバンの臭いが気になる、旅行先などで自分の服の臭いが気になるといった人には特にオススメだ。

本体右側面。電源ボタンが1つだけというシンプルな作り
本体底面。中央が電源用のUSB-microコネクタ。左はただのネジ穴

フレグランスを使ったテストでは脱臭の効果を実感

ボタンは電源のみなので、使い方で迷うところはまずない。

クローゼットで利用する場合は、環境によって電源ケーブルが届かないといったケースもあるだろう。延長コードやモバイルバッテリーを活用したい。

消臭の効果については、普段の使い方ではあまり汗を掻く機会もなく、焼き肉に行くチャンスもなかったので、手っ取り早く香水(フレグランス)を使用して確かめた。

衣類2着にフレグランスを掛けて、一方はそのまま放置、もう一方はMS-DM10で脱臭というシンプルなテストをした。念の為、2着は別々の部屋に置いて試している。分かりやすいよう、掛け過ぎなくらいフレグランスを付着させてみたが、MS-DM10を使った方は匂いがかなり薄れていて、残り香に明らかな差が出ていた。

これなら、旅行先などで着替えの用意が不十分なのに、匂いのきつい場所に行ってしまったという場合でも、服の匂いに悩まずに済みそうだ。

アンダーウェアにフレグランスを付着させる
MS-DM10を使って5時間放置すると匂いがかなり取れていた

MS-DM10は服の消臭以外にももちろん利用できる。帽子やカバン、カーテン、布団、毛布、枕、スリッパ、クッション、椅子など、気がついたものには何でも試してみると良い。流石に室内丸ごととなると、この一台のみでは厳しそうだが、空調と組み合わせれば効果が何もないということはなかろう。

モバイル性はかなり良かった。カバンに入れて持ち歩いてみたが、本体の質量は缶コーヒー並みの約180gなので、電源ケーブルとアダプタを含めても重さが気になることはない。ただし本体サイズのほうは、W84×D34×H139mmと厚めの文庫本より少し小さい程度なので、小さいカバンに入れた場合はかさばると感じる人がいるかもしれない。

運転音は32dB。数値上は図書館並かそれ以下の騒音であり、テレビが点いているような部屋ならば夜中でもまったく気にならない。静かな部屋で使うとそれなりに聞こえるので、寝室で睡眠中に使うのは少々気になる。

モバイルバッテリーとセットで提案しよう

パナソニックによると、売り場では基本的にセルフ販売となり、空気清浄機売り場やアイロン売り場の近くで、脱臭ハンガーを置いている場所に展開する予定だ。POPなどを上手に利用できるかどうかがポイントになる。

本体の大きさや「持ち運んで使える」といった謳い文句から、バッテリーを搭載しているものと早合点する消費者も出てくるに違いない。かくいう筆者も第一印象はそうだった。売り場ではモバイルバッテリーをそばに置いて同時購入を促すなど、さりげなく気付かせるように展示したり、レジでバッテリーを搭載していない点を注意したりといった配慮があると良いのではないだろうか。