内鍋がフッ素コーティングになって自由度アップ
まずは新製品の特徴をざっと説明しておく。
ホットクック公式ファンコミュニティ「ホットクック部」にユーザーが投稿したレシピを本体にダウンロードして利用可能になった。市販のジッパー付き食品保存袋による「低温調理」に対応。ローストビーフなどが簡単につくれるようになっている。また、内鍋にはフッ素コーティングを採用し、お手入れ性が向上した。
「ホットクック部」は、2020年5月にサービスを開始した、無料のコミュニティサービスで、ホットクックユーザーならば登録するだけでユーザー同士による情報交換ができる。ホットクックユーザーによるオリジナルレシピの投稿、閲覧のほか、使い方の相談や、質問と回答などの情報のやり取りも行える。
新製品では、人気や作りやすさを考慮して選ばれたユーザー投稿レシピが「COCORO KITCHEN」レシピサービスからダウンロードすることで利用できる。
ジッパー付き食品保存袋を使った低温調理は、付属の蒸しトレイを活用するもので、食品の入った袋の浮き上がりを抑えることで、袋が蒸気口を塞いで吹きこぼれてしまわぬようにする。ローストビーフやローストポーク、サラダチキン、ツナ、砂肝のオイル煮などの低温調理も簡単に行えるようになり、袋を使うので内鍋も汚れない点もメリットだ。
フッ素コート加工の内鍋は、別売もしており、既存のホットクックユーザーも内鍋だけ購入して利用することも可能だ。2.4Lは型番が「TJ-KN2FB」で価格は税込12,980円前後。1.6L用は型番が「TJ-KN1FB」で価格は税込10,980円前後。
シンプルでも美味しいレシピは見つけられる
発売当初にホットクック部からのダウンロード可能なメニューは12メニューとなっている。なお、ダウンロードメニューを利用するには、事前に無線LANアクセスポイント(無線LANルーター)に接続して、シャープクラウドサービスに登録しておく。
今回、試しに作ったユーザー投稿レシピメニューをいくつか写真で紹介する。
最初に作ったのは材料の少ない、「じゃがいもとピーマンのオイスター炒め」だ。細切りにしたピーマンと、千切りにしたじゃがいも、オイスターソースのみ。切って内鍋に入れ、まぜ技ユニットをセットして調理開始ボタンを押すだけ。15分で完成だ。極めてシンプルながら、美味しそうにできて驚いた。
続いて「牛肉トマト丼」を作ってみた。こちらは牛肉、トマト、玉ネギ、エリンギといった食材のほか、しょうゆやみりんなどの調味料を使い、最後に別途用意したご飯に盛り付ける。10分でできあがる。
アレンジ精神を刺激されるユーザー投稿レシピ
このほか、「ミートボールのトマトシチュー」「さつまいもとりんごのレモン煮」「スイートポテト」などのレシピも紹介したいところだが、特にアレンジしやすいと感じた「野菜たっぷりスープパスタ」を取り上げたい。
投稿レシピは、パスタ、人参、キャベツ、プチトマト、ハムを切って、水、コンソメ、塩、胡椒で混ぜる。完成までは20分。材料は冷蔵庫にあるものを適当に加えたり、差し替えても良く、ハムの代わりにツナ缶やソーセージなども良いとする。
実際、最初はレシピに忠実に作ってみたが、二度目はしめじやピーマン、ソーセージを入れ、三度目はマッシュルームを入れてみた。アレンジしやすくて、賞味期限の近付いている食材を消化するのに良いと感じた。こういうメニューをひとつ覚えておくと、ホットクックのような調理家電の使い勝手はぐっと上がる。
ちなみに、内鍋に材料を入れすぎると水分が足りなくなったり、かき混ぜがうまくいかず、パスタの火の通りが甘くなったりする。このあたりの加減も、何度が試しているうちに分かってきて楽しめる。
ユーザー投稿レシピの存在は、ホットクックが「メーカーが用意したレシピ通りでなくても調理できる」ことの証明でもある。低温調理に対応したことで、投稿レシピもさらに数が増えていくことだろう。
普段調理する人にとっては自明のことだが、あまり調理をしない人や調理が苦手な人は「レシピは好みに合わせてアレンジして良いのだ」という当たり前のことを意外と忘れがちだ。そしてそうした人ほど、冷蔵庫にある余り物の食材を消化するのも上手ではない。レシピをアレンジすれば冷蔵庫の余り物を上手に消化できると知らせるだけでも、ホットクックの魅力は増す。売り場でもぜひ知らせてほしい。
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シャープ株式会社
・ヘルシオ ホットクック