鼻や喉に悩みのある人ほどよく分かる、スチーム吸入器の魅力
筆者は幼児の頃、小児喘息を患った経験がある。息は吸えるのだが、吐くことが自在にできず、夜中になると顔中を涙や鼻で濡らしながらゼイゼイと喘ぎ、父や母に背中を擦られ必死で痰を吐き続けたものだ。最後には疲れ切ってぐったりと寝てしまうのだが、昼に仕事や育児に追われていた両親には、深夜の介抱は随分負担だったことだろう。
喘息や気管支炎のときは、鼻や喉が潤せるスチーム(蒸気)が大変心地よい。筆者が喘息に苦しんだあの夜、もし我が家にスチーム吸入器があれば私も両親も随分違ったはずだ。
喘息の人だけでなく、乾燥に弱い人、花粉症やアレルギー性鼻炎を患う人、鼻詰まりや喉のイガイガに悩まされる人も、鼻や喉の炎症をスチームで緩和できる。もちろん、スチームだけで病気は治らないため、一時的な改善以上の期待はできないし、治療には医師の処方を得たほうが良い。しかし、鼻や喉の不快感が手軽に取り除けるスチーム吸入器は、こうした不快感を抱える人ほど注目したい製品と言える。
迷わず操作できて気持ちいい!
EW-KA65の使い方は見た目から想像できる通りで、水を入れて電気でスチームに変え、吸入ノズルから出てくるスチームを鼻や口から吸う。3つのモードを備え、「はなづまり」モードと「はなムズムズ」モードでは鼻で吸って口で吐く。「のどイガイガ」モードの場合は口から吸って鼻から息を吐く使い方になる。
スチームはボイラーで沸かしたものを吸入ノズルから噴霧する際に、常温のミストを混ぜて温度調節し、約43℃の温度にしている。このため火傷することはないが、それでも熱く感じる場合もあるので、最初は吸入ノズルの背側にあるスチームの温度調節ツマミを「ぬるく」に設定して使い、慣れてきたら「あつい」に調整すると良いだろう。
スチームにする水は、ボイラータンクと給排水タンクの2カ所に用意する。給排水タンクの水はミスト用だ。ボイラータンクは本体中央、給排水タンクは本体前面にある。
ボイラータンクに入れる水は30mlで、付属の計量カップを使う。水を入れすぎると、中央の穴から水が排水タンクに出てくるので、きっちり計量するか、給排水タンクを先にセットしておいたほうが良い。
ボイラータンクに給水するには、吸入ノズルや吸入アタッチメント、ボイラーキャップを外す。
使用できる水は、新しい水道水、精製水、蒸留水となっている。お湯は使わないこと。薬品を入れての使用も体調不良や故障の原因となるため禁止されている。
3つのモード、「ぬるい」「あつい」の切り替えに加え、スチーム量も「多い」と「少ない」から選べる。個人の体調や室内環境の変化でも、スチームの感じ方は変わってくるので、その時その時に合ったスチームを利用できるのは便利だ。
使い終わったら電源プラグを抜いて、本体を10分以上冷ましてから給排水カップやボイラータンクの余り水を捨てる。
お手入れは、外せるパーツを水洗いし、よく乾燥させるのが基本。汚れがひどい場合は中性洗剤で洗う。いちいち冷ましてから水洗いしなければならないのは慣れないと面倒に感じるかもしれない。
店頭ではセルフでも魅力が伝わるよう、どんな人向けか分かるように
スチーム吸入器は店頭で実演できるとその魅力も伝わりやすいが、吸入ノズルに鼻と口を当てるので、お客が一人ひとり試すたびに吸入ノズルを洗浄する必要があり、少々手間に感じるかもしれない。
もっとも、多くの中古型店舗では実演人員を割けずにセルフ商材として取り扱うことになるだろう。使い方は難しくないので、どんな人にどんなメリットがあるのかをPOPなどで訴求していこう。
喘息や花粉症、アレルギー性鼻炎などで季節の変わり目のたびに鼻詰まりに悩む人だけでなく、冬の乾燥した空気の中で活発化するインフルエンザウイルスを抑制したい人にもオススメだ。
■関連リンク
パナソニック株式会社
・吸入器:スチーム吸入器 EW-KA65