進化したヘルシオ ホットクック3タイプを9月に発売


コロナ禍で外食が減り、家庭で食事を取る内食が増えている。内食が増えれば、それだけ食事作りの負担も増加する。シャープの水なし自動調理鍋ヘルシオホットクックはコロナ禍以前から家事の負担を軽減する調理機器として人気を博していた。同社はユーザーの声や使用実態を収集・分析してさらなる改良と進化を付加した新製品を8月18日のオンライン発表会で発表した。

シャープがヘルシオホットクック(以下、ホットクック)初号機を発売したのは2015年。業界初の水なし自動調理鍋として話題となり、その後、容量が2.4Lや1.0Lのタイプを追加投入。さらに無線LAN対応で同社のCOCORO KITCHENと連動したレシピ取得などの利便性も強化してきた。その結果、2021年6月末には累計販売台数が40万台に達したという。

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初号機の容量は1.6Lで、自動調理メニューは85種類。コンロにかけるタイプの無水調理鍋はあったが、電気鍋としては初の製品だった

ユーザーからは調理における家事の負担軽減だけでなく、食卓にのぼる料理のバリエーションが増えるという点も評価されているという。ホットクックは調理家電製品において、まさにエポックメイキングな製品といえるだろう。

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しかし、ユーザーの使用率は非常に高いものの、週1回の使用にとどまっているユーザーは約30%。また、ユーザーの約90%が製品に満足しているが、不満ポイントとしては製品本体の大きさや置き場所に困ることが挙げられたという。

そこで、これらユーザーの声や意見を反映させ、設計自体も見直してさらに進化させた新製品を開発した。

「使い方応援」でユーザーの使いこなしをサポート

新製品は容量2.4LのKN-HW24Gと同1.6LのHW16G、同1.0LのHW10Gの3タイプで、発売は9月中旬を予定している。

新製品のKN-HW24G(左)、HW16G(中)、HW10G(右)。新製品の型番は容量を表す数字の後ろがGになっている

新製品の特長は3点。①AIoTを利用したユーザー支援、②「まぜ技ユニット」の進化、③本体を従来機よりもコンパクトにした省スペース化、である。

ホットクックと連携するCOCORO KITCHENには現在、400種類以上のメニューが掲載されている。しかし、メニューが多くなると逆に使いこなせるか不安に感じる層もいる。また、もっとレパートリーを増やしたいというユーザーもいる。

ヘビーユーザーの使い方を調べた結果、はじめは簡単な無水料理を試し、次に同じカテゴリーのメニューに挑戦し、徐々にカテゴリーを広げて使用頻度がアップしていることが分かった。

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ユーザーは初めから多彩なメニューに挑戦するのではなく、ステップを踏んでレパートリーを増やしていく傾向がある

そこで、①としてCOCORO KITCHENのコンテンツに「使いこなし応援」を加えた。これはヘビーユーザーがホットクックを使いこなしていく過程を誰でも追体験できるような機能。使い始めは基本となる定番メニューを提案し、マスターしたら蒸し物や低温メニューなどの提案でレパートリーを広げていく仕組みだ。

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挑戦したレシピは本体にダウンロードされるので、 “はじめまして”から“神レベル”まで99段階の使いこなし度も分かる

また、COCORO KITCHENに掲載されているメニューの中からテーマごとにまとめ、1品ずつではなく、複数の料理をまとめてダウンロードできる「クックリスト」も新たに搭載した。

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COCORO KITCHENで興味のあるテーマを登録してホットクックと同期させると、本体にそのテーマに含まれているレシピがダウンロードできる

準備や仕上げ段階でも食材のかきまぜができる

ホットクックの特長の一つが、鍋内の食材を自動でかきまぜてくれる「まぜ技」だ。食材の量や加熱時の食材の柔らかさに応じて回転を制御することで、セットしたらほったらしにすることができる。

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ただ単にまぜるのではなく、調理の進行状況に合わせて回転を制御。まぜながら加熱するので料理全体に味が馴染みやすい

②では、従来機の「まぜ技」が加熱時のみに対応していたところを準備や仕上げ段階でも作動するようにした。調理前の卵を溶いたり、加熱後の食材をつぶしたりすることで、従来よりもさらに調理の負担が軽減される。

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オムレツ(上)では卵を溶いて入れる必要はなく、ポテトサラダ(下)では加熱したじゃがいもをつぶす手間も省ける

「まぜ技」ユニットの進化ポイントはかきまぜ機能だけでなく、回転数もアップ。最大回転数は従来の約2倍にアップし、泡立ての手間が面倒だったホイップクリームも簡単に作れるようになった。

設計を見直して容量は変わらずコンパクト化を実現

家事の負担を大きく軽減させるホットクックだが、本体がわりと大きいために置き場所がなくて購入を諦める層もいるようだ。これに対しては③を実現。設計や内部のパーツの配置を一から見直して新製品でのダウンサイジングが可能になったと同社ではいう。

ホットクックは上から見ると楕円形をしており、2つの頂点である左右の幅を現行機種からHW24Gでは約13%、HW16Gでは約9%短くした。HW10Gはもともとコンパクトサイズだったので幅は同じだ。

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高さは現行機種よりも数mm高くなったが、幅が小さくなったことで幅90cmのキッチンボードに30Lタイプのウォーターオーブンヘルシオと並べて置けるようになった

カラバリは3タイプとも2色展開で、HW24Gはレッドとホワイトで、HW16GとHW10Gはホワイトとブラック。HW16Gに関しては現行モデルのレッドに代わってブラックを採用した。ブラックは若い層の人気が高い色ということからの変更である。

潜在需要にはコンパクト化、買い替え需要には機能進化を訴求

ここ数年の需要増加傾向で、電気調理鍋市場は前年の反動もあり、6月以降は前年割れとのことだ。しかし、「ホットクックは前年並みの実績で維持しています。1号機の発売から5年以上経過し、これからはホットクックの買い替え需要も期待できます」と同社では話す。

ホットクックの成功を受けて、市場に参入するメーカーは増加。売り場は電気圧力鍋や自動調理鍋が混在した展示になっているように見受けられる。その結果、ホットクックはサイズが大きく高価格と感じる向きもいるだろう。

サイズについては従来機よりもコンパクト化しており、価格についてはレシピの充実や「まぜ技」の進化などで利便性や拡張性が他の製品よりもはるかに優れていることでの費用対効果を十分にアピールできる。また、進化を遂げたことでシャープが指摘した従来機からの買い替えも期待できる。

当分の間はポスト・コロナではなく、ウィズ・コロナとなりそうだ。だからこそ家事負担を軽減し、料理のレパートリーを広げられるホットクックの新製品を店頭で積極的に訴求しよう。現行モデルの見込み客に対しては、新製品の特長を伝えたうえで予約を取るという方法も考えたい。